第23回世界コンピュータ将棋選手権 1次予選 2回戦

2回戦の相手は「ひねもすのたり」。
初対局です。

棋譜こちら

席が向かい側だったので、対局開始を見届けて、モニターを見せて頂くと、15手とかのiterationが回っていたので、思わず
「何手くらい読むんですか?」
とお聞きすると、いや、そんなに読むはずないんだけど、と頭を抱えておられる様子。
よくよく見ると、局面は1手もすすんでおらず、初期局面でいきなり思考しているようでした。
結局、先手ひねもすのたりの初手は、▲98香。

後手:ymshogi
後手の持駒:なし
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
                                                        • +
v香v桂v銀v金v玉v金v銀v桂v香
・v飛 ・ ・ ・ ・ ・v角 ・
v歩v歩v歩v歩v歩v歩v歩v歩v歩
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩
香 角 ・ ・ ・ ・ ・ 飛 ・
・ 桂 銀 金 玉 金 銀 桂 香
                                                        • +
先手:hinemos 先手の持駒:なし 手数=1 ▲9八香 まで 後手番

中継ブログでも取り上げられていました。
http://computer-shogi-live.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-f0e4.html

モニター上では、各iterationの評価値が全部ゼロになっていて、傍目にも何かトラブルが起きているような感じでした。
近くにおられた「無明4」の作者さんもおっしゃっていましたが、どうやら、定跡データや評価関数のパラメータがうまく読み込めていなかったようです。
定跡が無いため1手目から思考を始め、評価関数のパラメータが無いため、すべての局面の評価値がプラスマイナスゼロということになって、指し手生成順で一番最後になった▲98香が選ばれたのではないか…というのが、その場での話でした。

その後は、後手ym将棋ともども1手10〜30秒ずつ使いながら、24手目でこんな局面に。

後手:ymshogi
後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
                                                        • +
・v桂v銀v金 ・ ・v銀v桂v香
・ ・ ・ ・v金v玉 ・ ・ ・
v香 ・v歩 ・v歩v歩 ・v歩v歩
v歩 ・ ・v歩 ・v角v歩 ・ ・
・v飛 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
香 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩 歩
・ 角 金 銀 玉 ・ 飛 銀 ・
・ 桂 ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香
                                                        • +
先手:hinemos 先手の持駒:なし 手数=24 ▽8五飛 まで

先手の陣形は、意図してはいなかったのでしょうが、稲庭戦法のようになっています。
ym将棋は、今年から稲庭対策を入れたのですが*1、この辺で「相手が稲庭戦法をしている」と判断していました。
実際、先手はこの後▲79角〜▲88角という動きを見せ、「これは千日手になるかも」という話をしていたんですが、途中で先手が指し手を返せなくなったため、時間切れとなりました。

2勝0敗。

*1:遅いよ、というツッコミは無しの方向で