第19回世界コンピュータ将棋選手権 2次予選 7回戦

7回戦の相手は「山田将棋」。
初対戦です。偶然ながら、今日は同姓の作者の方2人とも対戦することになりました。
山田将棋のディスプレイで作者の方と一緒に観戦していました。


テキスト表示しかなく「見づらいですよ」とおっしゃってましたが、仕事柄慣れてはいるので、あまり気になりませんでした。
OSはFreeBSDとのこと。
「何手くらい読んでいるんですか」と聞いてみると、通常は基本深さ10で、さらに手を絞ってもう1手深く読む修正を入れられたらしいです。(違ってたらすみません)


36手目でこんな局面になりました。

後手:yamadashogi
後手の持駒:歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
                                                        • +
v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香
・v玉v銀v飛 ・ ・v銀 ・ ・
v歩 ・v歩 ・ ・ ・v角v歩v歩
・ ・ ・v金v歩 ・v歩 ・ ・
・ 桂 ・ ・ ・v歩 ・ 歩 ・
・ 角 歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・
歩 歩 ・ 銀 ・ 歩 歩 ・ 歩
・ ・ 玉 ・ ・ 銀 ・ 飛 ・
香 ・ ・ 金 ・ 金 ・ 桂 香
                                                        • +
先手:ymshogi 先手の持駒:歩二  手数=36 ▽4五歩 まで


最初、▲77角から角を交換する手順を読んでいたのですが、なにかまずいことを見つけたらしく、途中から▲64角に変わっていました。
角と金を交換するのですが、それだけの価値があるのかは微妙です。
ちなみに、モンテカルロでも▲64角を最善と評価していました。


読み筋は△同飛▲66歩打△63飛▲86歩ですが、実戦では▲66歩打の後△84歩▲75金打があって△63飛と進みました。先手はせっかく取った金を75に打たされてしまっています。

後手:yamadashogi
後手の持駒:角 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
                                                        • +
v香v桂 ・v金 ・ ・ ・v桂v香
・v玉v銀 ・ ・ ・v銀 ・ ・
v歩 ・v歩v飛 ・ ・v角v歩v歩
・v歩 ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・
・ 桂 金 ・ ・v歩 ・ 歩 ・
・ ・ 歩 歩 歩 ・ ・ ・ ・
歩 歩 ・ 銀 ・ 歩 歩 ・ 歩
・ ・ 玉 ・ ・ 銀 ・ 飛 ・
香 ・ ・ 金 ・ 金 ・ 桂 香
                                                        • +
先手:ymshogi 先手の持駒:歩  手数=42 ▽6三飛 まで


最初▲84金を読んでいたものの、△64飛で犬死になることに気づいて評価が急落。結局▲68金と指し、評価値は-700(後手有利)くらいになっています。
読み筋は△85歩▲同金の後△74桂打でしたが、実戦では△41銀でした。


次に評価値が動いたのはこの局面。

後手:yamadashogi
後手の持駒:銀二 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
                                                        • +
v香v桂v玉v金 ・v銀v角v桂v香
・ ・v銀 ・ ・ ・ ・ ・ ・
v歩 ・v歩 ・ ・ ・ ・v歩v歩
・ 金 ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・
・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ 歩 ・
・ ・ 歩v角 歩 ・ ・ ・ ・
歩 歩 ・ ・ ・ 歩 歩 ・ 歩
・ ・ 玉 ・ ・ ・ ・ 飛 ・
香 ・ ・ 金 ・ 金 ・ 桂 香
                                                        • +
先手:ymshogi 先手の持駒:飛 桂 歩二  手数=58 ▽6六同角 まで


▲83桂と景気のいい王手を読んでいますが、逆に△77銀打から大変なことになりそうだ、と気づいています。
ところが、実際の指し手は▲43桂。△42角の後▲62歩打△同玉という読み筋なので、水平線効果の可能性が高そうです。


実戦では△22角上▲31飛打で下記の局面になった後、△77角成。

後手:yamadashogi
後手の持駒:銀二 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
                                                        • +
v香v桂v玉v金 ・v銀 飛v桂v香
・ ・v銀 ・ ・ ・ ・v角 ・
v歩 ・v歩 ・ ・ 桂 ・v歩v歩
・ 金 ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・
・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ 歩 ・
・ ・ 歩v角 歩 ・ ・ ・ ・
歩 歩 ・ ・ ・ 歩 歩 ・ 歩
・ ・ 玉 ・ ・ ・ ・ 飛 ・
香 ・ ・ 金 ・ 金 ・ 桂 香
                                                        • +
先手:ymshogi 先手の持駒:歩二  手数=61 ▲3一飛 まで 後手番


▲31飛打はモンテカルロで指しています。
通常探索では▲53飛打を読んでいたのですが、△89銀打▲79玉△67歩打で必至となることを見つけ、時間切れでモンテカルロで見つけた手を指したものです。
相手が弱いプログラムなら、△同角▲同桂として角と飛車を交換する可能性があり、これならまだ続いたと思います。相手の失敗に期待するという意味で、モンテカルロの特徴が出たかもしれませんが、この局面はすでに手遅れでした。


確かこの辺で、山田将棋さんが
「詰みましたね。19手詰めです」
とおっしゃってました。もっとも、合駒とかの関係で手数は正確でないそうで、実際にはここから30手近く続いています。
以後、山田将棋はノータイムで指していますが、ym将棋はずっと詰みに気付かず、83手目くらいでようやく気がついたようです。


以下、投了図です。

後手:yamadashogi
後手の持駒:金 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
                                                        • +
v香v桂v玉v金 ・v銀 飛v桂v香
・ ・v銀 ・ ・ ・ ・ ・ ・
v歩 ・v歩 ・ ・ 桂 ・v歩v歩
・ 金 ・ ・v歩 ・v歩 ・ ・
・ ・ ・ ・ ・v歩 ・ 歩 ・
・ ・ 歩v馬 歩 ・ ・ ・ ・
歩 歩 ・ ・v銀 歩 歩 ・ 歩
・ ・ ・ ・ ・v金 ・ ・ ・
香 ・ ・ ・ ・ 玉 ・ 桂 香
                                                        • +
先手:ymshogi 先手の持駒:飛 角 銀 歩  手数=88 ▽4八金 まで


山田将棋は2次予選12位(総合15位)となり、ym将棋とは実力差があることを思い知らされました。
これで今日の成績は2勝5敗。


追記:山田将棋さんが自戦記を書かれたようです。