第19回世界コンピュータ将棋選手権 1次予選 5回戦

5回戦の相手は「鈴木将棋」。
初対戦です。


評価値は序盤からほぼ互角で、45手目あたりですこし先手有利に振れてきました。

後手:susuki_shogi
後手の持駒:角 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
                                                        • +
v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂v香
・v飛 ・ ・ ・v金 ・v玉 ・
v歩 ・v歩v銀 ・v歩v銀v金v歩
・ ・ ・ ・v歩 ・v歩v歩 ・
・v歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・ 銀 ・ ・ 歩 ・ ・ ・
歩 歩 桂 歩 歩 銀 歩 ・ 歩
・ ・ 金 ・ 金 角 ・ 飛 ・
香 ・ 玉 ・ ・ ・ ・ 桂 香
                                                        • +
先手:ymshogi 先手の持駒:歩二  手数=43 ▲7七桂 まで 後手番


上の局面は2手前の状態で、この後、後手が△12玉としたので▲85銀と1歩得になります。
しかし後手も△64銀〜△52角でこの銀を狙い、先手が▲76銀と引いてから、再び評価値は大きく動かなくなります。

後手:susuki_shogi
後手の持駒:歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
                                                        • +
・ 馬 ・ ・ ・v桂 ・v桂v香
・ ・ ・ ・v角 ・ ・ ・v玉
v歩 ・ ・ ・ ・v歩v銀v金v歩
・ ・ ・ ・v歩 ・v歩v歩 ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v香 ・
・ ・v歩 ・ 歩 歩 ・ ・ ・
v龍 ・v金 歩 ・ 銀 歩 歩 歩
・ ・ ・ ・ 金 玉 ・ 飛 ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 桂 香
                                                        • +
先手:ymshogi 先手の持駒:金 銀二 桂 香 歩三  手数=77 ▲8一馬 まで 後手番


じりじりと評価値はプラスに動き、この辺りでは評価値が+1000くらいで、先手がかなり有利と出ていますが、見ている方は攻められている印象ばかりで、不安いっぱいでした。


一気に評価値が後手有利に振れたのが89手目。

後手:susuki_shogi
後手の持駒:歩五 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
                                                        • +
・ 馬 ・ ・ 金v桂 ・v桂v香
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v玉
v歩 ・ ・ ・ ・v歩v銀v金v歩
・ ・ ・ ・v歩 ・v歩v歩 ・
・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・v歩 ・v角 歩 ・ ・ ・
v龍 ・ ・ ・ ・v金 歩 ・ 歩
・ ・ ・ ・ 銀 ・ ・ 飛 ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ 玉 桂 香
                                                        • +
先手:ymshogi 先手の持駒:金 銀二 桂 香二 歩二  手数=89 ▲2八飛 まで 後手番


先手は持ち駒はたくさんあるものの、盤上では深く攻め込まれていて、この辺で「何手か先に自玉の詰みがある」と気づき、大きく評価を下げています。
この後、△99龍の王手に▲69歩と合駒し、△58金▲同飛の後△69龍で再び王手。
▲59香と合駒するも、すでに自玉の詰みを見切り、評価値はマイナス無限大に。
次の△58龍が必至になっているらしいのですが、ym将棋はもう負けを読み切っているので、最後に▲22金と王手をかけます。


そして次の瞬間。
ディスプレイには「後手投了」が表示されました。

後手:susuki_shogi
後手の持駒:飛 銀 歩六 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
                                                        • +
・ 馬 ・ ・ 金v桂 ・v桂v香
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 金v玉
v歩 ・ ・ ・ ・v歩v銀v金v歩
・ ・ ・ ・v歩 ・v歩v歩 ・
・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ ・v歩 ・v角 歩 ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 ・ 歩
・ ・ ・ ・v龍 ・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・ 香 ・ 玉 桂 香
                                                        • +
先手:ymshogi 先手の持駒:金 銀二 桂 香 歩  手数=97 ▲2二金 まで 後手番

(投了の瞬間、ym将棋の画面。評価値はマイナス無限大を指している)


最初は何が起こったか分かりませんでした。
後手は22の金を取れば詰まないのは明らかです。


鈴木将棋さんの席に行ってみると、こちらもまだ事態を把握されてないようでしたが、やがて大変なことが起こったのがわかり、CSAの山田さんや取材のカメラマンが次々とやって来られました。


作者の方にお話を聞いてみると、必至をかけられたらそこで思考を止め、最善手にnullを設定するようになっているが、そこが原因なのではないか、ということでした。
あらためて、バグの怖さを思い知りました。