第20回世界コンピュータ将棋選手権 1次予選 2回戦

2回戦の相手は「芝浦将棋」。
大学のチームで、対局前に揃って挨拶に来られたので、しばし雑談。
ライブラリにBonanzaを使用されているということで、まず勝てないなという感じでした。


ym将棋の評価値は序盤からずっと悪かったのですが、芝浦将棋も総攻撃をかけるでもなく、だいぶ指し手が進んでこの局面に。

後手:ymshogi
後手の持駒:香 歩二 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
                                                        • +
v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
・v飛v玉v金 ・ ・v金 ・ ・
・ ・v歩v銀v銀v歩 ・ ・v角
v歩 歩 ・v歩v歩 ・ 歩v歩 ・
・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・v桂 ・
歩 ・ 銀 歩 ・ 歩 飛 銀 ・
桂 ・ 角 ・ 歩 ・ ・ 歩 ・
・ ・ ・ ・ ・ 金 金 玉 ・
香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 桂 ・
                                                        • +
先手:SIT50_2010 先手の持駒:香 歩二  手数=81 ▲8四歩 まで 後手番


直前に、13の地点で、▲13歩成△同香▲同香成△同角と駒交換が入っています。
直後に先手▲84歩と打ったあと、ym将棋は△35歩打。
これには頭を抱えました。この手の意味がよく分らなかったのです。
芝浦将棋はすかさず▲同銀。
ym将棋はさらに△37歩打と最後の歩を手放し、芝浦将棋▲同桂。


後でログを見返しても理由はよく分りませんでした。
35に打つ時点での読み筋は、△35歩打▲35同銀△37歩打▲14香打△31角 となっていて、ようするに銀を35に吊り上げておいて37に歩を打つ、すると37の歩は取れない(△25桂が利いている)から▲14香打が最善、という読みのようです。
しかし、▲37同飛や▲37同金ができないのは分かりますが、▲37同桂を読んでいないのは致命的。


この後はym将棋が暴れるものの、もはや負けは確定していました。
逆に、Bonanzaライブラリ使用で8コア並列のソフトに、よく110手以上ももったなあというのが正直なところです。

以下、投了図です。

後手:ymshogi
後手の持駒:飛 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
                                                        • +
v香v桂 金 金v桂 ・ ・ ・ ・
・v歩 角 ・v銀 龍 ・ ・ ・
・ ・v歩v玉 ・v歩 ・ ・ ・
v歩 香 ・v歩v歩v銀 歩 ・v香
・ ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・
歩 ・ 銀 歩 ・ 歩 ・ ・ ・
桂 ・ 角 ・ 歩 ・ 玉 歩v銀
・ ・ ・ ・ ・ 金 金 ・ ・
香 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
                                                        • +
先手:SIT50_2010 先手の持駒:桂 歩五  手数=113 ▲7二角 まで 後手番


芝浦将棋は6勝1敗で2次予選進出。
2次予選でも7勝2敗で、決勝進出を決められたようです。