第19回世界コンピュータ将棋選手権 1次予選 7回戦

7回戦の相手は「白砂将棋」。
昨年の選手権の1次予選でも、最終戦で対戦しており、ym将棋が勝たせてもらっています。
3勝3敗同士の対戦なので、お互いに勝ち越しのかかった1局となります。また、条件しだいで1次予選通過の可能性も出てくるので、なおさら勝ちたいところです。


作者の方とちょっとお話したのですが、昨年から強化を試みたものの、うまくいかずに戻した部分が多かったとのこと。
ただ先手を引けたのはよかったと。
私は先後を気にしたことがないので(それで強さが変わるレベルでもないし)、理由を聞いてみると、先手の場合と後手の場合で定跡の手数が何倍か違っていて、先手の方が多いのだそうです。



評価値が動いたのは、38手目あたりでした。

後手:ymshogi
後手の持駒:角 歩 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
                                                        • +
v香v桂 ・ ・ ・v金 ・v桂v香
・v飛 ・v銀v金 ・v玉 ・ ・
・ ・v歩v歩v歩v銀 ・v歩 ・
v歩 ・ ・ ・ ・v歩v歩 ・v歩
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩
歩 ・ 歩 歩 ・ ・ ・ ・ ・
・ 歩 桂 ・ 歩 歩 歩 歩 ・
・ ・ 金 ・ 銀 ・ 銀 玉 ・
香 ・ ・ ・ 飛 金 ・ 桂 香
                                                        • +
先手:hakusa 先手の持駒:角  手数=37 ▲1五歩 まで 後手番


先手が▲15歩と突いてきたのですが、理由はちょっと分かりません。
後手ym将棋は△15同歩と取り、1歩得したので評価値はマイナス400(後手有利)くらいと出ていました。
その後▲同香△同香では1筋を破られて先手不利なので、▲69飛と6筋を攻めてきます。
さらに▲65歩〜▲64歩と歩を突いてきたので、△64同歩▲同飛と歩の交換になります。

後手:ymshogi
後手の持駒:角 歩三 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
                                                        • +
v香v桂 ・ ・ ・v金 ・v桂v香
・v飛 ・v銀v金 ・ ・v玉 ・
・ ・v歩 ・ ・v銀 ・v歩 ・
v歩 ・ ・ 飛v歩v歩v歩 ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩
歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ 歩 桂 ・ 歩 歩 歩 歩 ・
・ ・ 金 ・ 銀 ・ 銀 玉 ・
香 ・ ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香
                                                        • +
先手:hakusa 先手の持駒:角 歩  手数=45 ▲6四同飛 まで 後手番


ここでym将棋は△12香という意味不明の手を指したのに対し、先手白砂将棋は▲63歩。
これも私にはちょっと意味が分かりません。水平線効果でしょうか。
ym将棋は1分25秒考え、△同銀と取ります。評価値はマイナス600くらいです。
先手の飛車は逃げるしかなく、▲65飛。


次の△53角も意味不明。読み筋は▲68飛△64歩打▲67銀△42角となっています。

後手:ymshogi
後手の持駒:歩四 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
                                                        • +
v香v桂 ・ ・ ・v金 ・v桂 ・
・v飛 ・ ・v金 ・ ・v玉v香
・ ・v歩v銀v角v銀 ・v歩 ・
v歩 ・ ・ ・v歩v歩v歩 ・ ・
・ ・ ・ 飛 ・ ・ ・ ・v歩
歩 ・ 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・
・ 歩 桂 ・ 歩 歩 歩 歩 ・
・ ・ 金 ・ 銀 ・ 銀 玉 ・
香 ・ ・ ・ ・ 金 ・ 桂 香
                                                        • +
先手:hakusa 先手の持駒:角  手数=50 ▽5三角 まで


ここで先手が▲86角として、ym将棋の評価値はマイナス900くらいに。
△86同角▲同歩△同飛で8筋を破ります。
▲69飛と受けた後の△64歩打も意味不明。読み筋は▲67銀△74歩▲68飛△11王でした。
次の▲97香で空間ができたところに、すかさず△98角と打ちこんで、大丈夫かなと思いながら見ていると…

後手:ymshogi
後手の持駒:歩四 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
                                                        • +
v香v桂 ・ ・ ・v金 ・v桂 ・
・ ・ ・ ・v金 ・ ・v玉v香
・ ・v歩v銀 ・v銀 ・v歩 ・
v歩 ・ ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v歩
歩v飛 歩 ・ ・ ・ ・ ・ ・
香 ・ 桂 ・ 歩 歩 歩 歩 ・
v角 ・ 金 ・ 銀 ・ 銀 玉 ・
・ ・ ・ 飛 ・ 金 ・ 桂 香
                                                        • +
先手:hakusa 先手の持駒:角  手数=58 ▽9八角 まで


▲79飛△89角成で馬を作り、先手は▲61角打と反撃にでますが、かまわず△79馬▲同金で角と飛車を交換。
すぐに△99飛と打ちこんで、評価値もマイナス2000くらいとなっていきます。


見ていてびっくりしたのが、80手目の△79角成でした。

後手:ymshogi
後手の持駒:香 歩五 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
                                                        • +
v香v桂 ・ ・ ・ ・ ・v桂 ・
・ ・ ・ ・v金 ・ ・v玉 ・
・ ・v歩v銀 ・v銀 ・v歩 ・
v歩 ・ ・v歩v歩v歩v歩 ・ ・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v香
歩v飛 歩 ・ 歩v角 ・ ・ ・
香 歩 桂 ・ ・ ・ 歩 歩 ・
v龍 角 金 ・ 銀 ・ 銀 玉 ・
・ ・ 金 ・ ・ 金 ・ 桂 ・
                                                        • +
先手:hakusa 先手の持駒:なし 手数=79 ▲8七歩 まで 後手番


この局面から△79角成▲同角と、角を捨てて金を取りに行ったので、えっと思ったのですが、取った金をすぐ△18金と打ちこんだので、そういう意味かと思ったわけです。
そして、最後は100手目の△24銀で9手詰めを読み切り*1、最終戦で勝つことができました。
投了図は次の通り。

後手:ymshogi
後手の持駒:歩五 
  9 8 7 6 5 4 3 2 1
                                                        • +
v香v桂 ・ 飛 ・ ・ ・v桂 ・
・ ・ ・ ・v金 ・ ・v玉 ・
・ ・v歩v銀 ・v銀 ・v歩 ・
v歩 ・ ・v歩v歩v歩 ・v銀 ・
・ 桂 ・ ・v桂v金v歩 ・v香
歩 歩 歩 ・ 歩 玉 ・ ・ ・
香 ・ ・ ・ 香 ・ 歩 歩 ・
・ ・ ・v角 ・ ・ ・v金 ・
・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・v金 ・
                                                        • +
先手:hakusa 先手の持駒:飛 角  手数=108 ▽4五金 まで


結果が出るまでは、勝ってうれしかったのと、一次予選通過はだめだったかな、という気分が半々でした。
9枠目での通過が決まったときは、うれしさよりは、全敗&最下位だけは避けたい、という思いが大きかったです。
でも指すのはソフトですから、成るようにしか成らないんですが、一応今日の結果を受けて微修正し、学習も少し進めて二次予選に臨みました。

*1:ログを見ると、詰将棋ではなく通常探索で見つけていた